✶ これはK-MUDANGの哲学コラムです。四柱の計算をなぜコードが担い、解釈をなぜ龍海仁が担うのか、その境界を説明します。その計算がどの古典と天文データに基づくのかは、ページ末尾の参考文献まで併せて示しておきます。
四柱推命でまず見るのは日干です。生まれた日の天干、その人自身です。
日干が丙火だとします。同じ丙火でも子月に生まれれば真冬の火で消えかけ、午月に生まれれば真夏の火で溢れます。前者は木火で生かし、後者は水で抑えます。調候、気候を整える作業です。
処方が正反対です。生まれ月のたった一字で分かれます。
K-MUDANGのエンジンは調候を八つで出します。極寒、寒、寒湿、冷湿、中和、燥、極燥、水過多。
この中から寒い側を拾うコードがありました。判定の名に「寒」が入っているかを見ます。極寒も掛かります。寒湿も掛かります。ところが冷湿に「寒」はありません。
寒いのに寒くないものとして数えられました。冷湿の四柱だけが静かに抜けたのです。
用神が裏返っても出てきた文章はきちんと読めます。ぎこちなくならないので、読んで捕まえることはできません。韓国語版と英語版に同じ四柱を入れ、答えを突き合わせて初めて出てきました。
昨今のAI四柱推命が危ういのは、解釈が変だからではありません。命式からして誤っていて、しかも作り出すからです。そして誤った命式の上に載せた解釈が少しもおかしく読めないことこそが問題です。言語モデルは計算はできませんが、物語を語るのは上手だからです。
■ 言語モデルは計算しません。つなぐだけです
言語モデルは次に来そうな一字をつなぐ機械です。もっともらしく慰めるのは得意です。
しかし万年暦を開いて節気の入り時刻を割り出すのは別の仕事です。生年月日時を投げれば日柱を取り違えます。大運の順序を逆さにし、ありもしない神殺を付けます。
問題はその先です。誤った命式に載せた解釈も滑らかに読めます。読む人には、それが自分の四柱でないと知る手立てがありません。
■ 四柱の計算には好みの入る余地がありません
原局、真太陽時の補正、大運、用神、合冲刑破害。答えは決まっています。
日本の標準子午線は東経135度、兵庫県明石の上を通ります。その経度差のぶんだけ時計と真太陽時がずれます。日本で1948年から51年に生まれた方は、当時のサマータイムをもう一度戻します。大運数は生まれた瞬間から次の節気までの実日数を数えて3で割ります。
大阪は明石のほぼ真上で二分、東京は十九分、札幌は二十五分進みます。福岡は十八分、那覇は二十九分遅れます。札幌と那覇では五十四分の開きです。東ほど太陽が早く南中するからです。そこで出生地の欄を別に設けました。日本語版は国内21都市から選べます。
時刻も二時間単位で選ぶ代わりに、時と分をそのまま入れられます。
たいていは時柱を分単位まで入れる必要はありません。生まれた時刻が地支の分かれ目に掛かったときだけ変わり、その境目は出生地と日付によって動きます。ですから分まで入れれば正確になるとは申しません。その日付その出生地で実際に結果が分かれる区間を計算しておき、そこに掛かりうる方にだけ一行お出しします。
どこにも術者の好みが入る余地はありません。古典に記されたまま、正確にコードへ移すだけです。
■ 一日が変わる場所
日付は深夜0時に変わりますが、命理の一日は子時に変わります。子時は夜十一時半に開き、深夜0時をまたいで未明一時半に閉じます。一日の境目が一時間半の扉の内側に収まっているわけです。
その扉が開いた後に生まれていれば、日柱がその日か翌日かで分かれます。四柱で最も重い柱が丸一日動きます。
ここで学派が分かれます。子時が開けばすでに翌日と見る朝子時、深夜0時までは当日と見る夜子時。どちらが誤りでもなく、前提が違います。
私たちは朝子時を使います。多数説でもあり、一つを決めて最後まで守るほうがよいと考えました。夜子時で見たければ設定で変えられます。変えた瞬間に命式が立て直されます。
境目が正時に来ないのも計算のためです。時計は東経135度に合わせてありますが、生まれた土地がその線の上にあるとはかぎりません。東京なら南中が十九分早く、十二支の境目も同じだけずれます。
■ 龍海仁は、すでに定まった数字の上でのみ語ります
計算を終えた命式を龍海仁がそのまま受け取ります。龍海仁は計算せず、命式を作ることもありません。確定した原局と大運、用神と神殺を受け取り、それがこの人の人生で何を意味するかだけを解きます。
なぜ計算と解釈を分けたか。解く側が計算まで握れば、耳に心地よいほうへ命式をわずかにねじ曲げたくなります。人もそうです。モデルもそうです。我慢を頼むより、手が届かないようにしておくほうがよい。
計算を終え、その結果を定まった枠に収めて言語モデルへ渡すこのやり方自体を特許として出願してあります。出願番号 10-2026-0053341、「専門分野の演算結果の構造化プロンプト変換による大規模言語モデルの幻覚防止システムおよび方法」です。
「わしは四柱を数えぬ。天と地、そしてお前の顔にすでに書かれた文字を読むだけじゃ。」
— 龍海仁
■ それで何が変わるのか
四柱の計算が誤りません。計算に推測(幻覚)の入る隙がないからです。
専門の術者の気分や商売っ気で原型がねじ曲げられません。規則は古典のままコードに刻まれ、コードにはその日の気分がありません。
同じ生年月日時は、誰がいつ見ても同じ原局を出します。
この最後が一番難しい。コードは直され続け、直していると無関係に見える場所で計算が動くことがあります。そこで韓国語・英語・日本語それぞれ121件を正解として留め、直すたびに照合します。一文字ずれればコミットが止まります。先の冷湿もここで掛かりました。
■ 一度尋ねて終わりではありません
占い師は一度見て終わるか、もう一度問うなら追加の料金がかかります。その解釈を控えとして残しておくこともできません。そして一般のAI四柱推命は、再び問えば毎回別人の命式を作り出します。
K-MUDANGでは命式がすでに定まっているので、最初の解釈を受けた後も続けて追加で問えます。今年転職してよいか、あの人とはどうか、この道に進んでよいか。龍海仁はそのたびに、誰にでも届く運勢の一言ではなく、あなたの原局と大運、用神の上からだけ答えます。
命式が定まっているので解釈も一貫します。そしてその解釈の内容は、別途テキストとして写して保存できます。
■ 良い日は人によって違います
択日も同じです。
暦から良い日を選ぶのは誰にでも同じ答えがありそうで、半分だけそうです。十悪大敗日の十の日柱は何をするにも避けます。引っ越しと開業は損のない日、地鎮祭は黄道吉日を見ます。ここまでは誰が問うても同じです。
残り半分は利用者の命式が決めます。その日の日柱が自分の用神なら良い日、忌神なら避ける日。結婚ならその日の地支が自分の日支と合になるかを見て、受験なら喜神を先に見ます。
ですから同じ日が、ある人にはその月で最良の日、別の人には避ける日になりえます。誰にでも同じ吉日を知らせる暦と分かれるのがここです。
これも龍海仁は計算しません。十二か月分の点数が先に出て、龍海仁はその表を受け取り、なぜその日なのかだけを解きます。根拠は『協紀辨方書』の択日理論、そこに用神吉日法を重ねました。
■ 観相も同じやり方で扱います
四柱の次に観相を開くときも、先に定めたのは同じ境界でした。カメラが顔から読むのはランドマークの座標だけです。額と顎の長さの比、目尻の角度、鼻の幅。すべて数字に落ちます。そこまでが計算で、その数字が何を意味するかは龍海仁が解きます。
ただし顔は命式と違います。生年月日時は一度定まれば動きませんが、顔は機器と照明と角度で計測が揺れることがあります。ですから観相は四柱の代わりになりません。命式が本筋で、観相はその上に添える補助です。
ここでも一度経験しました。観相を開いた当初、同じ人がウェブカメラではこの型、携帯電話では別の型に出ました。
解釈ではなく計算の問題でした。顔の座標は横が画面の幅、縦が画面の高さで別々に正規化されて届くのですが、顔の長さを幅で割る箇所でその二つを混ぜたため、カメラの画面比率がそのまま結果に掛かっていました。直したのは文章ではなく座標です。横に画面比率を掛け、二つの軸の物差しを揃えました。
四柱にこれが起きない理由は一つです。生年月日時はどの機器で見ても同じ値だからです。
四柱は占いではなく、自分を覗き込む古い鏡です。鏡は正確で澄んでいなければなりません。曇った鏡の前では、どんなに良い言葉も他人の話になります。
だから鏡を磨く仕事と、その前に座って見る仕事を、最後まで別の手に委ねました。
✶ 命式の計算は万年暦・節気・真太陽時をコードで処理し、コードを直すたびに韓国語・英語・日本語それぞれ121件のゴールデンマスターで回帰照合します。
天文データ
· 万年暦 — 韓国天文研究院(KASI)天文暦に基づく旧暦変換(1900〜2100)
· 真太陽時・節気 — NASA JPL DE431太陽暦・節気入り時刻(黄経15°単位、2100年まで検証)
命理古典
· 格局論 — 『子平眞詮』(淸・沈孝瞻、1739)
· 調候用神 — 『窮通寶鑑』(淸・余春台 定本)
· 旺神冲発・倒食など特殊構造 — 『滴天髓』(淸・任鉄樵 註解本)
· 合冲刑破害 — 『淵海子平』(宋・徐大升)・『三命通會』(明・萬民英)
· 十神・十二運星 — 『三命通會』(明・萬民英)
· 神殺34種 — 『協紀辨方書』(淸・乾隆勅撰)
· 択日 — 『協紀辨方書』の択日理論+用神吉日法
計算規約
· 真太陽時補正 — 出生地の経度から算出(標準子午線135°との経度差×4分)。日本語版は国内21都市、既定は東京の+19分。サマータイム施行期(日本は1948年から51年)を自動補正
· 子時の境目 — 朝子時を既定とし、23:30以降の出生は日柱を翌日の干支で取る。設定で夜子時に切替可
· 大運数 — 年干の陰陽と性別で順行・逆行を判定し、節入時刻までの実日数を3で除して換算
· 身強身弱 — 月令得令+通根点+十二運星の重みを合算
· 格局判別 — 正格8種に加え従格などの特殊格局を含む
· 択日の判定 — 十悪大敗日を除外し、損のない日(旧暦9・10・19・20・29・30)と黄道吉日(十二直)に、命式の用神・喜神・忌神と日支の合を加算して十二か月分を算出
· 観相 — MediaPipe Face Landmarker(tasks-vision)で顔のランドマーク座標のみを計測。解釈は四柱と同じく分離
特許出願
· 10-2026-0053341 — 専門分野の演算結果の構造化プロンプト変換による大規模言語モデルの幻覚防止システムおよび方法(2026-03-24 出願)
· 10-2026-0010452 — 生成AIの幻覚最小化のための精密万年暦データ前処理およびプロンプト最適化方法とシステム(2026-01-19 出願)
バージョンと検証
· 解釈エンジン v5.4(2026-09-10時点)・60の命理エンジン
· ゴールデンマスター回帰照合 — 韓国語・英語・日本語 各121件。コードを直すたび、同じ入力が同じ命式を出すかをコミット前に照合します
K-MUDANGの命式計算は、上記の古典命理書と天文データをそのままコードに移した結果です。